(2017年5月11日16時発表)
売上高 1695.60億円(前期比
+15.8%) 会社予想+18.8%(
未達)
営業利益 75.92億円(前期比
-0.4%) 会社予想-1.6%(
達成)
経常利益 79.37億円(前期比
+4.4%) 会社予想-1.4%(
超過)
当期純利益 44.21億円(前期比
+8.1%) 会社予想-2.2%(
超過)
・売上高営業利益率(2016年度4Q)→2017年度4Q
(2016年度4Q 5.20%)→4.48%(
悪化)
・売上高経常利益率
(2016年度4Q 5.19%)→4.68%(
悪化)
・売上高純利益率
(2016年度4Q 2.79%)→2.61%(
悪化)
・売上高原価率
(2016年度4Q 80.67%)→81.66%(
悪化)
・売上高粗利益率
(2016年度4Q 19.33%)→18.34%(
悪化)
・売上高販管費率
(2016年度4Q 14.13%)→13.87%(
改善)
・販管費率(対粗利益)
(2016年度4Q 73.08%)→75.59%(
悪化)
・営業利益の四半期別前年比
1Q
-30.24%2Q
-12.72%3Q
+15.34%4Q
+18.89% 昨年4月、5月に三菱自動車の不正問題が発覚し主力であった日産軽自動車が一定期間の販売停止。1Qはこの影響で営業利益が前期比
-30.24%と低迷することになりました。販売再開の目途が立った6月時点で2Q以降の軽自動車販売への影響を前年比3割減と会社は見込んでおり、実際統計を見てみると日産軽の販売実績は7月が前年比66.6%、8月が76.8%、9月が73.4%となっておりプロの見立てと言うのはスゴイなぁと感心してます。過去の事例や自動車自体の問題などを考慮して出した見通しだと思うのですが、さすがですね。
また、それ以降も3割減の見通しを変えずにいたことで、自分としても業績への過度な期待を持たずに済んだため、この対応も非常に良かったのではないかと思ってます。
さすがに1Qの減収減益が響き通期での利益率などの指標は前年度より悪化してしまいましたが、一番悪かった1Qの営業利益率でも3%を維持しており十分安定的だったと言う印象です。販管費率もちゃんと下げてますしね。売上高は会社予想に届きませんでしたが利益面では達成、超過となっており、おかげで期末配当の
1円増配がついてきました。全く期待していなかったのでラッキーでした(笑)。これで今期は合計17円の配当となりますが、嬉しいことに来期の業績予想が二桁の増収増益予想なので配当は18円の増配予想となっており、こちらもラッキーです。
ただ、自動車販売は波がありますし、現在販売好調の日産2車種もどこかで落ち着いてくるでしょうから楽観視はしないです(笑)。幸いこの4月の日産軽自動車販売は昨年の反動から前年比
221.2%と大幅増加となっておりプラス要因が続いている雰囲気なので1、2Qはそんなに心配しないで良いかなと考えてます。日産の登録車も現在6か月連続で前年比を大きく上回って好調ですしね。
●セグメント別業績
◎自動車販売関連事業
売上高 1,626.87億円(前年同期比
+16.2%) 1Q時 -7.1% 2Q時 +2.7% 3Q時 +10.0%
営業利益 75.29億円(前年同期比
-2.4%) 1Q時 -22.3% 2Q時 -17.2% 3Q時 -10.4%
・新車部門(増収減益)
ホンダ 5,316台(前年同期比
-10.4%) 1Q時 +1.4% 2Q時 -2.7% 3Q時 -5.8%
日産 13,687台(前年同期比
-5.1%) 1Q時 -22.9% 2Q時 -19.7% 3Q時 -10.5%
グループ合計 33,616台(前年同期比
+22.0%) 1Q時 -11.9% 2Q時 +0.7% 3Q時 +14.9%
日産は期を追うごとに回復。夏と秋の新車2車種の販売効果がハッキリと下半期に出た格好。反対にホンダは期を追って減少。現在売れ筋がN-BOXとフリードのみですし暫くは厳しそう。と言うか傘下のホンダディーラーの販売実績を見ると今回含めた過去3期の12四半期中9回が前年比マイナスなので長い間低迷しています。関東にもう1ディーラーあればまた違うんでしょうが新車ディーラーは勝手に始められないので仕方ないでしょう。メーカーがうんと言わないでしょうし(苦笑)。
それでもグループ全体としては前年比
+22.0%の増加で
3期ぶりの3万台超え。日産、ホンダは年々減少していますが代わりに海外でM&Aをしての増加となり会社の積極性が実った格好となりました。
・中古車部門(
増収微減益)
海外輸出台数 6,503台(前年同期比
-8.3%) 2Q時 -18.6% 3Q時 -19.2%
中古車販売台数 49,300台(前年同期比
+6.6%) 2Q時 +1.6% +3.3%
輸出が低調で2013年度をピークに3期連続のマイナス。国内外の新規子会社の増加もあり販売が好調なことで増収を確保しましたが若干の減益。
・サービス部門(
増収増益)
短信では数字は非開示なので説明会資料などで確認したいと思います。
・レンタカー部門(
増収増益)
売上高 86.87億円(前年同期比
+12.4%) 1Q時 +16.3% 2Q時 +13.4% 3Q時 +13.0%
営業利益 13.45億円(前年同期比
+7.5%) 1Q時 +23.7% 2Q時 +24.8% 3Q時 +21.2%
前年度末比で店舗は
+5店舗増加。売上、利益ともに着実に伸びており今後も楽しみな事業です。2012年度で51.56億円だった売上高が5期で
+68.5%の伸びですから良い事業ですね。
◎住宅関連事業(
増収増益)
売上高 67.31億円(前年同期比
+7.4%) 1Q時 -18.7% 2Q -16.3% 3Q時 -18.6%
営業利益 5.41億円(前年同期比
+86.2%) 1Q時 -0.63億円 2Q +49.0% 3Q時 +90.0%
3Qまでマイナスだった売上高は4Qで急伸してプラスに。営業利益は前期比+86.2%と3Qの+90.0%から少し落ちたように見えますが、3Qの営業利益は0.85億円だったので売上高以上にこちらは伸びています。
新車販売の低迷を上半期に受けましたが、他事業が好調だったことでカバー。会社がいつも言う新車が売れなくても赤字にならないと言うことを今回は証明した一年間だったかなと思います。まぁ、車検が少ない期間に今回のような三菱自動車の不正が発覚していたらヤバかったと思うのでタイミングがズレてくれていたのは不幸中の幸いでしたが(笑)。
決算と合わせて子会社1社の業績が計画を下回り、財務内容が悪化しているため個別決算で評価損8.36億円を特別損失で計上しています。連結では消去されるので大きな影響はありませんが、どの会社か分からないため決算資料で確認できたらと思います。イメージするに恐らく英国の三菱ディーラーじゃないか?と思うのですが、どうだろう? ずっと悪かったですし。
決算に先立つ5/1には2/17に発表していた南アフリカ法人の株式取得日をシステム切替作業に想定より時間を要しているため6/1へと変更しています。どちらにしろ規模が小さいため業績への影響は軽微かと思われます。それでもプジョーシトロエンとの関わりが出来る大事な事業かもしれないので注意深く観察したいと思います。現在、英国、スペイン、南アフリカとディーラー業は拡がっており、今後はフランスの可能性も勝手に感じているので慎重に行きたいところですね。まぁ、意表をついてポルトガルとかありそうですが(笑)。
◎会社来期予想
売上高 1,960.00億円(前年同期比
+15.6%) 中間+29.3%
営業利益 85.00億円(前年同期比
+12.0%) 中間+15.0%
経常利益 85.00億円(前年同期比
+7.1%) 中間+14.9%
純利益 48.00億円(前年同期比
+8.5%) 中間+12.4%
やはりプラス要因が多い中間までの方が強気な数字です。あとは2014年4月以降に日産の登録車販売の不調、15年からは登録車、軽自動車ともに販売不振だったため新車車検への影響が出てくるでしょうし予想ほどは楽観視はしないでおこうと思います。ただ前回、震災の影響による車検車不足の時でも会社全体でカバーしており業績も極端に悪化はしなかったので普通にやれば大丈夫だろうとは思います。
消費増税の駆け込み需要があった14年度の営業利益100.82億円を除いて13、15、16、17年度は78.10億円、73.47億円、76.19億円、75.92億円と安定して70億円を稼いでいますし、この間新車市場が冷え込んでいたことも考えれば、他ディーラーと比較すると結構スゴイんじゃないでしょうか?
今回の数字で目標株価を算出すると
533円ほど。営業利益が若干落ちたため昨年度より少し低くなりましたが、かなり特殊な要因込みの減益なので今期予想が85億円と言うことも考慮して
620円ほどにしておこうと思います。今日の終値が586円なのでどちらにしろほぼ適正ですね(笑)。
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