2016.05.24 12:51|4659 エイジス
 数か月前にリストに加えて観察していたエイジスですが、先週千葉労働局から実名にて是正指導を受けて話題になったと言うことで丁度良いので日記にしておこうと思います。

●企業概要
・所在地 千葉県千葉市花見川区幕張町4-544-4
・設立年月日 1978年5月23日
 国内初の棚卸専門会社して設立(会社資料より)。
・営業拠点 直営50拠点 FC36拠点(国内棚卸会社唯一の日本全国86拠点ネットワーク(会社資料より))
 直営 青森~島根(50拠点)
 FC エイジス北海道(8拠点)、エイジス九州 広島~沖縄(20拠点)、エイジス四国(8拠点)
・業務内容 実地棚卸サービス、その他の流通業周辺サービス

●エイジスの強み(会社資料より)
・国内顧客資産 約2,000社
 日本の小売業売上ランキング上位100位のうち、80社以上の取引実績
・年間延べサービス実施店舗数 約210,000店
・サービスエリア 47都道府県
・業界シェア 77%(※当社調べなので正確性はない)

 「国内棚卸」を専門とする会社として設立してますが、現在のセグメントは「国内棚卸サービス」、「海外棚卸サービス」、「(国内)リテイルサポートサービス」の3つとなっています。

 海外棚卸サービスは現在、中国に4拠点(上海・広州・北京・香港)、韓国(2003年)、マレーシア(2009年)、タイ(2011年)、台湾(2009年)、インド(事業準備会社)などに展開中。

 リテイルサポートサービスには子会社2社があり、エイジスリサーチが調査員によるミステリーショッピング、店舗巡回、エリアマーケティングなどの業務を、エイジスマーチャンダイジングサービスがリテイルサポート(補充・レジ関連業務など)、マーチャンダイジング(棚替、新店陳列・改装陳列など)を行っています。

 海外棚卸は10年前以上から進出していますが、売上高は増加傾向にあるものの長い間、セグメント利益は赤字。現在の3セグメント表記になった12年度4Qから数えると16年1Qまで14四半期連続の赤字でした。これが16年度2Q~4Qは3四半期連続の黒字転換しており、やっと軌道に乗ってきた印象。12年度の売上高が7.2億円に対して16年度は21.9億円なので約3倍となった計算になります。

 リテイルサポートは事業自体の呼称は12年2Qから登場しますが、12年度期初から新規連結した子会社を追加した新規事業となります。連結初期の13年2Qまではセグメント利益は赤字でしたが4Qで±0にし、そこからは増収増益基調で推移しており、まずまず好調な事業となっています。12年度の売上高が16.44億円に対して16年度は37.31億円となっており約2.3倍ほどまで拡大してますね。

2012年度末と2016年度末の事業別業績比較
・国内棚卸
売上高 161.41億円 → 179.06億円(+10.9%
セグメント利益 15.13億円 → 22.01億円(+45.4%
・海外棚卸
売上高 7.20億円 → 21.97億円(+205.1%
セグメント利益 -0.70億円 → 1.45億円(黒字化
・リテイルサポート
売上高 16.44億円 → 37.31億円(+126.9%
セグメント利益 -0.46億円 → 2.96億円(黒字化

 3事業とも増収増益で伸び率も高く、業績的には文句のつけようがない感じ。

 決算の特徴としては主な顧客である流通業界の決算が集中する2Qと4Qに売上高が集中する傾向があり、閑散期である1Q、3Qは例年四半期単体で営業赤字となります。2015年度の四半期単体別で見ると、
・売上高
1Q 39.89億円 2Q 63.31億円 3Q 42.85億円 4Q 72.23億円
・営業利益
1Q -2.19億円 2Q 9.37億円 3Q -1.83億円 4Q 11.80億円

 売上高、営業利益ともに結構極端に増減しますね。2010年度までは3Qのみが営業赤字だったのですが、11~15年度は1、3Qが赤字となるスタイルが定着していたようです。ただ、会社側も意識していたようで2015年度から閑散期の業務拡大・生産性の改善を掲げて2016年度は全四半期で営業黒字となる変化を見せています。
 要因として資料には、
・繁忙期である2月および8月の売上高を戦略的に別月へ移行し、業務の平準化を推進したことより、棚卸経験者比率は改善
・作業効率向上につながる新システムおよびオペレーションの導入による生産性の改善
と、あります。
 1Qの原価率は前年同期比で-6.17%も改善し、売上高販管費率も-0.53%改善していました。棚卸経験者比率が改善したと言うのは、その都度採用していたアルバイト社員の教育コストが下がったと言うことだと思うのですが、もしかすると人不足なども重なって経験者だった人たちがそのまま仕事を続けて今回の超過残業に繋がったのかな? なんて気もします。何回も違う人に研修するとコストはかかるので、1度研修した人を使い続けた方が安上がりですし、慣れた人ほど仕事は早いでしょうから効率もいいでしょうしね。

 元々営業赤字だった海外棚卸を除くと1、3Q単体が赤字になるのは国内棚卸だったのですが、1Qの赤字の推移を見ると、
13年度1Q -2.32億円 14年度1Q -2.00億円 15年度1Q -1.75億円 16年度1Q -0.07億円
 増収にともない毎期減少傾向だったものが、取り組みにより一気に減ったと言う感じです。原価率が-6%も下がればそりゃ改善しますね。
 15年1Qは-2.19億円の営業赤字でしたが、国内棚卸で1.68億円、海外棚卸で0.61億円、リテイルで0.53億円分が前期より改善したことで16年1Qは0.55億円の黒字。国内棚卸だけでは黒字にならなかったので、他2セグメントの良化も注目した方が良さそうです。

売上高 238.35億円(前期比+9.2%
営業利益 26.47億円(前期比+54.4%
経常利益 26.85億円(前期比+52.3%
当期純利益 17.65億円(前期比+89.4%

・売上高営業利益率(2015年度4Q)→2016年度4Q
(2015年度4Q 7.86%)→11.11%(改善
・売上高経常利益率
(2015年度4Q 8.08%)→11.27%(改善
・売上高純利益率
(2015年度4Q 4.27%)→7.41%(改善
・売上高原価率
(2015年度4Q 74.86%)→71.18%(改善
・売上高粗利益率
(2015年度4Q 25.14%)→28.82%(改善
・売上高販管費率
(2015年度4Q 17.29%)→17.71%(悪化
・販管費率(対粗利益)
(2015年度4Q 68.76%)→61.46%(改善

・営業利益の四半期別前年比
1Q 黒字化
2Q +19.81
3Q 黒字化
4Q +19.68

●セグメント別
◎国内棚卸
売上高 179.06億円(前年同期比+3.5%
セグメント利益 22.01億円(前年同期比+33.6%

棚卸受託収入
・コンビニ 39.16億円
・スーパーマーケット 24.24億円
・ホームセンター・ドラッグストア 37.79億円
・書店 8.94億円
・G.M.S(大型総合スーパー) 23.68億円
・専門店 38.00億円
 コンビニのイメージが強かったのですが、専門店などもかなりの部分を占め書店以外は万遍なく受託している印象です。24時間店を閉めれないコンビニの棚卸は大変そうです。

◎海外棚卸
売上高 21.97億円(前年同期比+21.3%
セグメント利益 1.45億円(前年同期比は-0.66億円の損失)

◎リテイルサポートサービス
売上高 37.31億円
セグメント利益 2.96億円(前年同期比+129.0%

 今回の数字で目標株価を算出すると4,795円。前期末で3,436円としていたので、大幅な増加となりました。決算日の5/10の終値が3,500円で、決算通過後に5,190円まで上昇。ほとんど自分が思う適正株価での動きだったので、「ああ、もう割安にはならないなぁ」なんて思っているところでの今回のニュースでした。
 今現在でも3,800円ほどあり決算前より高いですが、目標株価的にもPERなどの指標的にも割高感は感じません。前期末の業績が「続くなら」と言う条件付きではありますが(苦笑)。

 会社IRには4月から取組を開始しているとありますが、業績への影響は現時点では全く分かりません。施策には取扱い店舗を削減するのか(顧客に迷惑)、アルバイト人員を増やすのか(コスト増)、作業手順の簡素化(精度ダウン?)などがあり、簡単そうなのは人員増加でしょうが、棚卸って夜間にやるものですし人が集まりにくいイメージがありますから簡単に増えるのかも不明です。顧客に棚卸時期を変えてもらうなんてことは出来ないでしょうし、どういう対応をするのか興味がありますね。そもそも今回の4事業場が全て棚卸だけなのかも不明なので、今後のIRに注目したいと思います。

 正直、業績だけを見れば若干儲け過ぎの雰囲気もあるので、人員増加があって短期間悪くなっても、ある程度の数字は出すような気もします。2016年度は急激に良くなり過ぎたため、もう少しゆっくりでもいいんじゃないかと。

営業利益率の推移を見ると、
●2008年度~2016年度
11.15% → 11.86% → 11.11% → 9.35% → 7.62% → 4.98% → 6.00% → 7.86% → 11.11%
 とにかくどんな感じに変化するのか今後も観察して行こうと思います。

人気ブログランキングに登録しています。
よろしければクリックをお願い致します。

株式 ブログランキングへ
スポンサーサイト
2016.05.20 21:25|4659 エイジス
 こんばんは。夕方の舛添都知事の会見を生配信で途中からの1時間ほど見たのですが、出てくる言葉はほとんどが「第三者の弁護士に調査を依頼する」ばかりで、何かチョロっと興味深いことを話すかもと見てしまった1時間が無駄でした。とにかく何も教えてはくれない会見でした…。
 都知事選の時に自民党が推薦していたことや他にいいと思う候補がいなかったこともあり、投票してしまったので恥ずかしいかぎりです(苦笑)。当選したら、自民党の言うことなんか全く聞かない感じでしたし、敵も多そうなのでここから巻き返すのはかなり厳しいのではないでしょうか。しかし、昨年から政治も経済も明るい話題が無くなってしまい雰囲気が悪いです。

 日経平均は前日比+89.69円の16,736.35円となりましたが、東証一部の売買代金は1.88兆円と昨日より更に薄商い。大型指数+0.29%、中型+0.81%、小型+0.86%となっており、中型小型への物色だけが入った一日でした。

 今回の決算シーズンの中で自分のリストの中では出色の出来だと考えていた4659 エイジスが厚生労働省千葉労働局から違法な長時間労働を複数の職場で行っていたとして是正勧告を受け、一時ストップ安。企業名の発表は全国初となり、いわゆるブラック企業のレッテルを貼られることとなっています。
 決算通過後は高値で+48%ほどまで買われており昨日、一昨日と軟調だったため今日の下げも最初は「ああ、相場が終わったんだな」ぐらいにしか思っていなかったのですが、それにしても下げ過ぎでは?なんて思ったので、ネットで調べたらそういうことでした。

 千葉労働局の資料を見ると、4つの事業場で計63名が1か月当たり100時間を超える時間外・休日労働となっており、最長は約197時間もあったそうです。
 100時間超えは会社員時代に自分も普通に10年以上やっていましたし、周りにもチラホラいたので特にヒドイとは感じないのですが(体力的にはキツイですが…)、197時間はひと月25日働いたとすると一日7.9時間ほどの時間外労働ですから短期間かもしれませんがさすがに厳しいですね(苦笑)。22日労働なら約9時間です…。
 2015年度末で従業員数は255名となっていますが平均臨時雇用者数は3,832名となっており、今回対象となったのが正社員なのかアルバイト社員なのか気になるところです。残業代が出ているならフリーター感覚で言うと超短期間でお金を稼ぎたい時は案外重宝する会社のようにも思えます。

 しかし、全国初の企業名公表ですから、数年間の資料も出して詳しく説明して欲しいですね。ここ1年間の問題なのかずっと昔からなのかでだいぶイメージが違いますし、ただ「是正指導した」と発表して、会社のイメージを最悪レベルにまで下げてしまうのは働いている従業員が少し気の毒な気も。
 先日発表した2016年度決算は過去最高益となっており、課題であった閑散期の1Qと3Qの営業赤字を黒字に塗り替えるほどの好調っぷりだっただけに、余計に仕事が増えて残業が増えたのかな?なんてことも考えます。
 顧客はほとんどが法人ですし業務内容も棚卸と言う通常は一般の人の目に触れないものなので客が減ると言うのもあまり想像しづらい気も。特に小売業などは棚卸って負担以外の何物でもないので、こういう会社がある訳ですし。反対に社名を発表したことによりアルバイトが集まりにくくなったりしたら、余計に今働いている人が苦しくなりそうなので社名発表も考えものですし、お役人は推移を見守って今後の資料にする実験体ぐらいに考えてるのかも。売上高230億円ほどと程よく小さい会社ですし、上場企業ですが知名度はなく、一般人にはあまり関係ない業務なので使いやすかったのかも。だって大手で怪しい会社なんて他にいくらでもありますから(笑)。

人気ブログランキングに登録しています。
よろしければクリックをお願い致します。

株式 ブログランキングへ
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
      アフィリエイトはアクセストレード
カウンター

プロフィール

たぐまる

Author:たぐまる
2012年2月より株式運用開始。現在は会社を退職し「長期投資家」を目指して日々勉強中です。
※当ブログはリンクフリーです。

最新記事

カテゴリ

月別アーカイブ

リンク

検索フォーム

QRコード

QR